株式会社クロスは、2016年9月9日(金)に第14回目となる家電量販業界セミナーを東京浜松町のメルパルク東京で開催しました。今回も講師は弊社代表の得平 司が努めました。ご参加頂いた皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

第1部 2015年度決算から家電量販企業の収益動向を探る

1部では家電量販企業大手9社の昨年度の決算と今期の重点的な取り組みについて解説しました。

家電量販企業の昨年度の決算を見ると、売上はほぼ横ばいですが、経常利益は大幅に向上しており、売上から利益重視への経営へシフトしていることが分かります。利益向上の要因として挙げられるのが売価の安定です。現在、家電量販企業は過度な安売りを控え、売価は安定しています。特に、白物家電や季節家電は高値で安定しており、高い粗利の確保が利益押し上げの大きな要因となりました。

新規出店により売上を拡大してきた家電量販企業ですが、昨年度末の店舗数を見ると67店舗減少しています。ヤマダ電機が2015年の5月〜6月にかけて57の不採算店を閉店したこともあり、大幅な減少となりました。新規出店についても控え気味で、出店は確実に売上が見込めるエリアに絞り込んでいます。

当社は現在の家電量販店はオーバーストア気味と考えており、適正店舗数は1,800程度と見ています。右のグラフでは2,272店舗あるので、今後も不採算店のスクラップが進むと考えられます。

第2部 家電量販企業の収益拡大の取り組みとメーカーの対策

2部では、家電量販企業が現在行っている収益拡大策と、それに対してメーカーが取るべき対策について解説しました。
家電量販企業は全体的に客数は減少傾向にあるため、客単価を向上させて売上を改善しようと考えています。客単価向上のために重要なのが接客力で、どの企業も販売員の接客力強化に注力しています。家電メーカーとしても、販売員が高付加価値商品を売りやすい商品展示や販促物を整備する必要があるでしょう。

平均単価と付加価値商品を並列展示。機能差を強調することで、販売員はワンランク上の商品へ誘導しやすくなる。

平均単価の商品と、高付加価値な売れ筋商品を並列展示。高付加価値商品の人気を訴求して販売員は単価アップ。

購入後のフォローをご説明することも効果的です。顧客は商品の検討段階で商品を使いこなせるのか不安を感じている方が多くいます。このような場合に、商品購入後に様々なフォローがあり、商品を簡単かつ便利に使って頂けることをご案内して購入を後押しします。

例えば、東芝は石窯ドーム アンバサダーというWebサイトを用意しており、サイト上でABCクッキングの講師陣がオーブンレンジを活用したオリジナルレシピを月に2回公開しています。顧客はプロの講師のレシピを見ながら、レンジを活用した調理方法を覚えられます。

また、レイコップはYouTubeにチャンネルを開設して、商品の使い方動画を提供しています。ふとんクリーナーを初めて購入するので使い方が分からないという方に対して、動画マニュアルをご案内して購入に対する不安を取り除いています。

商品自体に魅力を感じているけど、購入に踏み切れない方には、このような購入後のフォローをご案内して販売へと繋げていきます。

第3部 生産性を高め、ロスを防ぎ収益を上げていく取り組み

3部では家電量販企業が取り組んでいる生産性向上策について解説しました。既に様々なメディアでも言及されていますが、サービス業における人手不足は深刻で、家電量販企業も少ない人員で効率的な販売ができるよう様々な取り組みを進めています。

例えば、多くの家電量販企業は販売員の売場を固定しないフリー営業体制に移行しています。今までは販売員の担当の売場を固定していましたが、担当売場を決めずに顧客がいる場所で接客を行う体制にシフトしてきています。

フリー営業体制はフレキシブルに人員を回せるので、省人員で効率的な運営が可能となります。しかし、フリー営業はオールジャンルの商品知識習得に課題が有り、苦手なジャンルの接客では提案不足になりがちなので、家電メーカーとしても売り逃しを防ぐために様々な対策を行っていく必要があります。

質問が多い乾燥方式の違いを記した表を用意。メリットが一目で分かるので、白物に詳しくない販売員でも接客が可能。

商品の比較実演。新商品の良さを際立つため販売員は商品説明がしやすく、顧客も付加価値が分かりやすい。

総括

家電量販企業は収益確保への取り組みを強化しています。収益を向上させる為には、顧客への商品訴求方法の改革や、新商品の垂直立ち上げを速やかに行うこと、販売員を自社のファンに囲い込んで商品を積極的に販売してもらうことが大切です。家電メーカー、家電量販企業双方にとって収益が上がる提案を当社も引き続き発信して参りたいと思います。

次回のセミナーは2017年2月の初旬〜中旬の開催を予定しておりますので、引き続きご参加の程宜しくお願い致します。

株式会社クロスでは今後も家電メーカーや家電量販企業とお取引がある皆様のお役に立てるようなセミナーを随時開催します。詳細は弊社メールマガジンにてお知らせしますので、ぜひご登録ください。