皆さん、こんにちは。北京支社の范(ハン)です。今回は、中国の「蘇寧(ソネイ)」が展開している、ショッピングセンターをご紹介します。

蘇寧(ソネイ)とは?

蘇寧は、中国で一二を争う大手家電量販店であり、2009年に家電量販店ラオックスを買収したことで日本でも有名になりました。
その後、ネット通販サイトを立ち上げ、家電に限らず、家具や食品、書籍、アパレルなどを扱う総合的な通販サイトを展開。現在は、様々な商品を扱う量販店にシフトしています。

体験型ショッピングセンター

2015年11月、蘇寧は北京で初めて、複合商業施設「北京蘇寧生活広場」をオープンしました。テーマは”体験型ショッピングセンター”です。建築面積は10万平米。地上19階、地下4階、その内オフィスが5万平米、ショッピングモールは2万平米となっています。

このショッピングモールには、蘇寧自営のスーパーや、家族で楽しい買い物する雰囲気を作りだしている「Red Baby」の旗艦店、ジム、軽食、若者に人気のファーストフード店などが集結されていて、駐車場は1,000台停められる規模を有しています。

元々、家電販売を中心に展開していた蘇寧ですが、「北京蘇寧生活広場」は、”体感を重視する伝統的な家電屋”とは異なる業態をとっています。

……ここまではネットから得た情報ですが、実際の状況はどうでしょうか。
オープンから約半年、オープン当初と比べだいぶ落ち着いているであろうこの時期ならば、より確かな実態を確認できると思い、平日を選んで見学に行ってきました。

突撃!北京蘇寧生活広場、その実態とは!?

バスを降り歩道橋から見ると、大きな看板がとても目立ちます。反対側にも大きな看板が見えます。

歩道橋から見た蘇寧生活広場
反対側の看板

入口の装飾は、草花でできたアーチにクジャクが付いていて、とても上品で癒し系なイメージを受けます。
お店に入ると、天井からぶら下がった藤の花と、壁のお花が相まって、華やかな雰囲気です。また、蘇寧のキャラクターライオンちゃんと共に、開催中イベントの案内がでています。

入口の外側
入口の内側

更に店内に入って行くと、ライオンちゃんがいたるところで色々な格好をしています。可愛らしいライオンちゃんのオブジェは、家電の冷たいイメージを和らげ、親しみやすさを感じさせます。

集客率UPを狙う工夫

集客率をあげることは、多くの家電量販店が抱えている課題ですが、ここでは子供を連れて、家族で楽しめる店になるために、様々な工夫がされているようです。

蘇寧に買収された赤ちゃん用品店「Red Baby」もここではたくさんの商品を揃えています。

1Fのスーパーでは、大人用と子供用のカートが別々に並んでいます。子供用のカートは他のスーパーでは見かけたことがありません。

2Fには無料と有料の子供の遊び場があります。

トイレに向かう通路の壁には、片側に蘇寧の特徴が、反対側には動物の絵が貼ってあり、思わず写真を撮りたくなります。

ターゲットを見据えた売り場での提案

中国の家電量販店は生活提案を苦手としています。しかし蘇寧は、日本のレベルには及ばないまでも、中国国内の一般レベルよりは超えていると言えます。

例えば、テレビコーナーでは、家庭のリビングを想定した商品提案を行っています。

狭いリビングを想定した提案
広いリビングを想定した提案

また、テレビ売り場では、夏のオリンピックに合わせてフロアに「芝生」が敷かれています。ただ、テレビで流れている映像は全然試合とは関係のない内容だったので、もったいないと感じました。おそらく販売員はまだ販売というところにとどまり、「提案」とはどういうものなのか理解できていないのでしょう。

充実した体験コーナー

お客様の体験を強化するため、面白いイベントが行われています。
例えば、撮影教室です。土日に撮影基礎から、写真加工、テーマ別撮影などさまざまな内容を教えてもらうことができます。またコンテストも行われ、年度最優秀賞を取った人には一眼レフが贈呈されます。

見学に行ったのが平日だったため、イベントはやっていませんでしたが、そのスペースで、講師がスタッフにロボットの組み立て方を説明していました。

また、撮影以外に、ゲームを思う存分体験できるゲーム体験エリアがあります。しかし、この日は最高気温が32度を超えるくらい暑く、ちょうど昼時だったためか、何人か座ったまま爆睡していました。

その他にもう一つ、とても面白い体験コーナーがあります。

それは、最先端のVRゲーム*コーナーです。
頭に装置をつけ、VRゲームを体感しているスタッフが、自分の見ている海の底の世界を細かく説明してくれます。その後、慣れていない手つきで操作しながら、自分の見ている画面に絵を描いていました。とても面白そうでしたが、自分で体験する機会がなく、その面白さやすごさは実感できませんでした。

*VRゲーム(バーチャルリアリティゲーム) …映像が見えるディスプレイ装置を頭に装着し、仮想空間に入り込んだかのような体験ができるゲーム

人件費削減!?コンテンツによる商品説明

更に、売り場に変化を感じたのは、商品説明です。人件費を抑えるためでしょうか、売り場の販売員がとても少なく感じました。代わりに、多くのモニターを設置し、新商品や重点販売商品と思われる商品知識をコンテンツ形式でモニターに流してます。

分かりやすい説明や直感的なイラストなので、これを見ながら接客すれば新人の販売員でも簡単に説明できます。トークの内容を統一できますし、販売員不足の時にとても役に立ちそうです。ただし、お客様のニーズの聞き取りは相変わらず苦手なようで、どうしても一方的な説明になりがちです。

最後に

そうは言っても、蘇寧の店舗づくりは最先端に立っているに違いありません。ただ、それを活かしきれていない部分が多く感じられます。販売している販売員に対して、店舗理念や販売方法などをもう少し理解していただいた方が、もっと活気溢れた店舗になると思いました。