【北京家電レポート】Vol.1 中国の顧客はデザインを重視

皆さん、こんにちは。北京支社の范(ハン)です。中国の景気が減速していることは日本でも広く伝えられていると思いますが、中国国内の家電市場も大きな打撃を受けています。

中国の家電市場は低迷

中華全国商業情報センターの調査によると、2016年1~2月の中国の大手流通企業50社の合計売上高は前年対比で6.2%下がり、成長スピードでは昨年同期と比べ8.0%下降しました。家電市場の売上高も前年対比で7.0%下がっています。現在、家電メーカーは過剰在庫に苦しんでおり、小売店は入店客数の減少や売上高、粗利の下降といった課題に頭を悩ませています。家電市場全体的に明るい話題は少なく、今後3年くらいは厳しい市場環境が続きそうです。

そのような厳しい市場環境の中で、現在、中国の家電メーカーは差別化、利益向上を狙い、新製品開発に取り組んでいます。一昨年の旧正月に中国人観光客の「爆買い」が国内でも注目を集めました。多くの中国人は家電をネットで安く購入したいと考えてますが、お金を出しても品質の高い商品を買いたいというお客様も大勢いることが明らかになっています。その刺激を受けてか、多くのメーカーがプレミアムクラスの商品に力を入れ始めました。機能はもちろん進化し、デザインもいろいろと工夫されています。

デザイン家電に脚光

例えば、エアコンNo.1メーカーの「格力」は、地域台数限定のブライダルモデルを出しています。

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メーカー名: 格力(GREE)
シリーズ名: ローズシリーズ
価格: 9999元 (日本円で約172,000円)
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メーカー名: 格力(GREE)
シリーズ名: ローズシリーズ
価格: 18,199元 (日本円で約312,000円)

中国でめでたい色とされている”赤”色に、愛情を象徴するバラの模様が入ったデザインは売場でも一際目立ちます。PM2.5対応、優れた省エネ性、わずか18dBの静音性など機能面でも優れていて、結婚生活をより楽しもうというのがセールスポイントです。

価格は同クラス帯のエアコンの4〜5倍程しますが、人生の一大イベントの結婚式に備えて、ご購入される方は多くいると思います。
さらに、日本人の皆さまもご存知かもしれませんが、中国人は”面子”を非常に大事にします。
販売員に「限定商品」と言われたら自分しか買えないと思い、心が動く人が多くいるのです。今年に入って家電量販店ではデザインにこだわった商品が増えていると感じます。中国では日本と違い、リビングが広く、家電製品を家具として飾るという人が多く、エアコンや冷蔵庫、テレビなどはデザインにこだわる人が多いのも主な理由です。

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商品名: リビング用エアコン(GREE)
メーカー名: 海信(Hisense)
シリーズ名: アップルクラウドシリーズ(Hisense)
価格: 10,999元(日本円で約18,9000円)(Hisense)
特徴
1.Hisense独自の技術でPM2.5除去
2.CHINA APPLIANCE AWARDデザイン部門受賞
3.人感知センサー、360度送風
4.不具合の自動診断
5.Appで遠距離操作
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商品名: リビング用エアコン(GREE)
メーカー名: 科龍(KELON)
シリーズ名: アップルクラウドシリーズ(Hisense)
価格: 10,999元(日本円で約18,9000円)(Hisense)
特徴
1.FC自動掃除機能、特許あり
2.PM2.5、ホルマリン除去
3.人感知センサー
4.360度送風 特許あり 送風範囲が他メーカーの4.5倍

日本メーカーでも、中国人の好みに合う、赤色の炊飯器やカメラ、プリンター等が多く商品化されていますが、日本製の優れた機能に加えて、より高いデザイン性を付加したら、さらに多くの中国人のハートをキャッチできると思います。景気は下降気味ですが、富裕層を中心にMade In Japanに憧れを持った中国人は多くいるので、「爆買い」は今後もまだまだ続きます。