はじめに
少子高齢化や単身世帯の増加など、社会環境は急速に変化しています。家電流通企業もこの変化に合わせて、取扱分野の拡大や他業態とのコラボレーション、エリア別の施策、地域最適化の出店戦略などに取り組んでいます。この取り組みの成果は業績に反映され、家電流通企業各社の業績や指標を把握することで、家電流通企業全体を俯瞰して捉えることができます。また、各企業の業績推移を時系列で見ることにより、企業として成長しているか否かも把握できます。家電量販企業DBの数値から、家電流通企業の「今」を見据えていただければ幸いです。
家電量販企業上位7社の売上高
家電量販企業上位7社の売上高家電量販上位7社の売上高合計は、2018年度の約5.51兆円から2020年度には約5.85兆円まで拡大しました。その後、コロナ特需の反動で落ち込んだものの、2024年度は約6.18兆円と過去7年間で最高を更新しており、業界全体としては調整局面を脱し、再び成長軌道に乗りつつあることがうかがえます。
企業別に見ると、最大の変化はノジマの急成長です。2018年度の約5,131億円から2024年度には約8,534億円へと66%増加し、7社中最も高い成長率を示しています。これはノジマ本体の家電販売に加え、M&Aによるグループ拡大が大きく寄与しています。同様にヨドバシカメラも2018年度の約6,931億円から2024年度の約8,162億円へと堅調に伸ばしており、都市型大型店舗とECの両輪戦略が奏功しています。
一方、業界首位のヤマダHDは2020年度の約1兆7,525億円をピークに2023年度には約1兆5,921億円まで減少し、2024年度は約1兆6,290億円と回復途上にあります。ビックカメラは2024年度に約9,745億円と7年間で最高を記録し、1兆円の大台が視野に入ってきました。エディオンも2024年度に約7,681億円と着実に伸ばしています。ケーズHDは2020年度の約7,926億円から2023年度に約7,211億円まで縮小しましたが、2024年度は約7,380億円と持ち直し。上新電機は2024年度に約4,033億円と安定した推移を見せています。
全体として、かつてはヤマダHDが圧倒的なシェアを占めていた構図から、ノジマ・ヨドバシ・ビックカメラの追い上げにより上位の差が徐々に縮まる傾向にあり、業界の競争環境は確実に変化しています。
企業別に見ると、最大の変化はノジマの急成長です。2018年度の約5,131億円から2024年度には約8,534億円へと66%増加し、7社中最も高い成長率を示しています。これはノジマ本体の家電販売に加え、M&Aによるグループ拡大が大きく寄与しています。同様にヨドバシカメラも2018年度の約6,931億円から2024年度の約8,162億円へと堅調に伸ばしており、都市型大型店舗とECの両輪戦略が奏功しています。
一方、業界首位のヤマダHDは2020年度の約1兆7,525億円をピークに2023年度には約1兆5,921億円まで減少し、2024年度は約1兆6,290億円と回復途上にあります。ビックカメラは2024年度に約9,745億円と7年間で最高を記録し、1兆円の大台が視野に入ってきました。エディオンも2024年度に約7,681億円と着実に伸ばしています。ケーズHDは2020年度の約7,926億円から2023年度に約7,211億円まで縮小しましたが、2024年度は約7,380億円と持ち直し。上新電機は2024年度に約4,033億円と安定した推移を見せています。
全体として、かつてはヤマダHDが圧倒的なシェアを占めていた構図から、ノジマ・ヨドバシ・ビックカメラの追い上げにより上位の差が徐々に縮まる傾向にあり、業界の競争環境は確実に変化しています。
家電量販企業上位7社の売上高伸長率
家電量販企業上位7社の売上高伸長率7社の売上高伸長率を重ねて見ると、コロナ特需が発生した2020年度に5企業が100%を超え、翌2021年度に同じく5企業が反動減に見舞われるという共通パターンが確認できます。しかし、その後の回復局面では企業間の成長力に明確な差が生まれています。
最も目を引くのはノジマの突出した成長です。2023年度に121.6%、2024年度にも112.1%と2年連続で二桁成長を記録しており、他の6社とは明らかに異なる成長カーブを描いています。M&Aを軸としたグループ拡大戦略が売上高の押し上げに大きく寄与しており、オーガニック成長だけでは説明がつかない伸び方です。ビックカメラも2023年度113.1%、2024年度105.6%と力強い回復を見せており、インバウンド需要の取り込みや都市型店舗の集客力が発揮されています。
一方、ヤマダHDは2021年度に92.4%と7社中最大の落ち込みを記録し、2022年度98.8%、2023年度99.5%と3期連続で前年割れが続きました。2024年度にようやく102.3%と反転しましたが、ノジマやビックカメラと比較すると回復のスピードは緩やかです。エディオンは2024年度に108%と好調、ヨドバシカメラも102.3%と堅実に推移しています。ケーズHDは2024年度102.9%と安定した回復を見せる一方、上新電機は99.9%とほぼ横ばいにとどまり、2019年度の94.8%以来やや伸び悩みが続いています。
全体として、コロナ後の回復フェーズでは「M&A・インバウンド・EC」といった成長ドライバーを持つ企業と、既存事業の延長線上で戦う企業との間で成長格差が拡大しており、業界内の勢力図が書き変わりつつあることを示すグラフと言えます。
最も目を引くのはノジマの突出した成長です。2023年度に121.6%、2024年度にも112.1%と2年連続で二桁成長を記録しており、他の6社とは明らかに異なる成長カーブを描いています。M&Aを軸としたグループ拡大戦略が売上高の押し上げに大きく寄与しており、オーガニック成長だけでは説明がつかない伸び方です。ビックカメラも2023年度113.1%、2024年度105.6%と力強い回復を見せており、インバウンド需要の取り込みや都市型店舗の集客力が発揮されています。
一方、ヤマダHDは2021年度に92.4%と7社中最大の落ち込みを記録し、2022年度98.8%、2023年度99.5%と3期連続で前年割れが続きました。2024年度にようやく102.3%と反転しましたが、ノジマやビックカメラと比較すると回復のスピードは緩やかです。エディオンは2024年度に108%と好調、ヨドバシカメラも102.3%と堅実に推移しています。ケーズHDは2024年度102.9%と安定した回復を見せる一方、上新電機は99.9%とほぼ横ばいにとどまり、2019年度の94.8%以来やや伸び悩みが続いています。
全体として、コロナ後の回復フェーズでは「M&A・インバウンド・EC」といった成長ドライバーを持つ企業と、既存事業の延長線上で戦う企業との間で成長格差が拡大しており、業界内の勢力図が書き変わりつつあることを示すグラフと言えます。
家電量販企業上位7社の経常利益
家電量販企業上位7社の経常利益7社合計の経常利益は、2018年度(2019年3月期)の約2,095億円から2019年度(2020年3月期)は約2,044億円とやや減少しましたが、2020年度(2021年3月期)にはコロナ特需で約3,356億円へと急拡大しました。その後は反動減で2022年度に約2,167億円、2023年度に約2,161億円と縮小が続きましたが、2024年度(2025年3月期)は約2,537億円と回復基調に入っています。
企業別に見ると、最も注目すべきはヨドバシカメラの利益水準の高さです。2024年度の経常利益は約688億円で7社中トップとなり、売上高ではヤマダHDの約半分にもかかわらず、経常利益では大きく上回っています。非上場企業ゆえの独自の価格戦略と、主要ターミナル立地に絞った高効率の店舗運営、そしてEC売上の高い構成比が圧倒的な収益力を支えています。2018年度の約573億円からも着実に成長しており、利益面では業界の「真の王者」と言えるでしょう。
ヤマダHDは2020年度に約989億円と突出した利益を記録しましたが、2023年度には約470億円まで縮小し、2024年度も約480億円と回復は緩やかです。売上規模1位の企業としては利益額が物足りない印象が否めません。ノジマは2024年度に約512億円と大きく伸ばしており、売上の急成長が利益にも反映されています。ビックカメラは2024年度に約319億円と前年の約267億円から大幅に改善。エディオンは約244億円、ケーズHDは2023年度の約229億円から2024年度は約259億円へと持ち直しています。上新電機は2023年度の約83億円から2024年度は約35億円と大きく後退しており、7社の中で唯一逆行する形となりました。
売上高の順位と経常利益の順位が一致しないこのグラフは、家電量販業界においては「規模」よりも「収益構造の質」が利益を左右することを如実に示しています。
企業別に見ると、最も注目すべきはヨドバシカメラの利益水準の高さです。2024年度の経常利益は約688億円で7社中トップとなり、売上高ではヤマダHDの約半分にもかかわらず、経常利益では大きく上回っています。非上場企業ゆえの独自の価格戦略と、主要ターミナル立地に絞った高効率の店舗運営、そしてEC売上の高い構成比が圧倒的な収益力を支えています。2018年度の約573億円からも着実に成長しており、利益面では業界の「真の王者」と言えるでしょう。
ヤマダHDは2020年度に約989億円と突出した利益を記録しましたが、2023年度には約470億円まで縮小し、2024年度も約480億円と回復は緩やかです。売上規模1位の企業としては利益額が物足りない印象が否めません。ノジマは2024年度に約512億円と大きく伸ばしており、売上の急成長が利益にも反映されています。ビックカメラは2024年度に約319億円と前年の約267億円から大幅に改善。エディオンは約244億円、ケーズHDは2023年度の約229億円から2024年度は約259億円へと持ち直しています。上新電機は2023年度の約83億円から2024年度は約35億円と大きく後退しており、7社の中で唯一逆行する形となりました。
売上高の順位と経常利益の順位が一致しないこのグラフは、家電量販業界においては「規模」よりも「収益構造の質」が利益を左右することを如実に示しています。
家電量販企業上位7社の売上高経常利益率
家電量販企業上位7社の売上高経常利益率経常利益率を比較すると、7社の収益力の格差が最も鮮明に浮かび上がります。
圧倒的な存在感を示しているのがヨドバシカメラです。2018年度の8.3%から2019年度に8.5%、2020年度には6.7%とコロナ特需期にむしろ低下したものの、それでも他社を大きく上回る水準を維持。2022年度・2023年度ともに6.6%、そして2024年度には8.4%まで回復しています。他の6社が軒並み0.9〜6%台で推移する中、ヨドバシだけが常に別次元の収益力を持っていることがグラフから一目瞭然です。都市型大型店舗への集中出店とEC比率の高さにより、売場効率と物流効率の両面で優位性を確立していることが、この利益率の源泉と考えられます。
ノジマは2018年度の4.1%から2019年度に4.6%、2020年度にはM&A効果もあり12.4%と突出した数字を記録しました。その後は6.4%→5.8%→4.3%と低下しましたが、2024年度は6.0%と再び上昇に転じており、売上の急成長と並行して利益率も改善基調にあります。ケーズHDは2018年度の5.6%から2020年度に7.2%まで上昇しましたが、その後は低下が続き2023年度には3.2%まで落ち込み、2024年度も3.5%にとどまっています。
ヤマダHDは2018年度2.3%、2019年度2.9%から2020年度に5.6%へ急伸しましたが、2023年度3.0%、2024年度2.9%と3%前後で推移しており、売上規模トップの企業としては利益率の低さが課題です。ビックカメラは2019年度の1.7%を底に2024年度は3.3%まで改善。エディオンも2019年度1.8%から2024年度に3.2%と着実に向上しています。一方、上新電機は2020年度の3.7%から2024年度には0.9%まで急落しており、7社中最低の利益率となりました。売上がほぼ横ばいの中で利益率がここまで低下している点は、コスト構造に深刻な課題を抱えていることを示唆しています。
全体として、「ヨドバシの独走」「ノジマの台頭」「上新電機の苦戦」という3つのトレンドが読み取れます。
圧倒的な存在感を示しているのがヨドバシカメラです。2018年度の8.3%から2019年度に8.5%、2020年度には6.7%とコロナ特需期にむしろ低下したものの、それでも他社を大きく上回る水準を維持。2022年度・2023年度ともに6.6%、そして2024年度には8.4%まで回復しています。他の6社が軒並み0.9〜6%台で推移する中、ヨドバシだけが常に別次元の収益力を持っていることがグラフから一目瞭然です。都市型大型店舗への集中出店とEC比率の高さにより、売場効率と物流効率の両面で優位性を確立していることが、この利益率の源泉と考えられます。
ノジマは2018年度の4.1%から2019年度に4.6%、2020年度にはM&A効果もあり12.4%と突出した数字を記録しました。その後は6.4%→5.8%→4.3%と低下しましたが、2024年度は6.0%と再び上昇に転じており、売上の急成長と並行して利益率も改善基調にあります。ケーズHDは2018年度の5.6%から2020年度に7.2%まで上昇しましたが、その後は低下が続き2023年度には3.2%まで落ち込み、2024年度も3.5%にとどまっています。
ヤマダHDは2018年度2.3%、2019年度2.9%から2020年度に5.6%へ急伸しましたが、2023年度3.0%、2024年度2.9%と3%前後で推移しており、売上規模トップの企業としては利益率の低さが課題です。ビックカメラは2019年度の1.7%を底に2024年度は3.3%まで改善。エディオンも2019年度1.8%から2024年度に3.2%と着実に向上しています。一方、上新電機は2020年度の3.7%から2024年度には0.9%まで急落しており、7社中最低の利益率となりました。売上がほぼ横ばいの中で利益率がここまで低下している点は、コスト構造に深刻な課題を抱えていることを示唆しています。
全体として、「ヨドバシの独走」「ノジマの台頭」「上新電機の苦戦」という3つのトレンドが読み取れます。
家電量販企業上位7社の店舗数
家電量販企業上位7社の店舗数7社合計の店舗数は、2018年度(2019年3月期)の2,508店舗から2022年度(2023年3月期)の2,657店舗まで緩やかに増加した後、2023年度に2,649店舗、2024年度(2025年3月期)には2,630店舗と減少に転じています。なお、この数値は各量販企業の連結対象の直営家電販売店のみであり、携帯電話専門店やFC店舗は含まれていません。
企業別に見ると、最も大きな動きがあるのがヤマダHDです。2018年度の975店舗から2019年度に990店舗、2020年度1,003店舗、2021年度1,015店舗、2022年度1,028店舗と4年連続で純増を続けましたが、2023年度に1,005店舗、2024年度には978店舗と2年間で50店舗を削減しました。7社合計の減少の大部分はヤマダHDの閉店によるものです。
一方、ノジマは2018年度の175店舗から2024年度に231店舗へと56店舗増加しており、7社中で最も積極的に出店を進めています。ケーズHDも494店舗→552店舗と着実に店舗網を拡大し、2023年度以降は552店舗を維持しています。この2社は出店による面的拡大で成長を追求する戦略を継続しています。
エディオンは395店舗→423店舗と微増を続け、安定的な地域密着経営を反映しています。ビックカメラは214店舗→222店舗まで増やした後、2024年度は207店舗と減少に転じており、都市型大型店舗への集中方針が表れています。ヨドバシカメラは全期間を通じて23〜24店舗で推移しており、グラフ上ではほとんど視認できないほど少数ですが、前述の通り1店舗あたりの売上・利益は業界随一です。上新電機は2019年度の234店舗をピークに2024年度は215店舗まで減少しています。
このグラフからは、「多店舗展開で売上拡大を狙う」ケーズHD・ノジマ型と、「少数精鋭で効率を追求する」ヨドバシ・ビックカメラ型、そして「スクラップ&ビルドで質に転換する」ヤマダHD型と、各社の出店戦略の違いが明確に読み取れます。
企業別に見ると、最も大きな動きがあるのがヤマダHDです。2018年度の975店舗から2019年度に990店舗、2020年度1,003店舗、2021年度1,015店舗、2022年度1,028店舗と4年連続で純増を続けましたが、2023年度に1,005店舗、2024年度には978店舗と2年間で50店舗を削減しました。7社合計の減少の大部分はヤマダHDの閉店によるものです。
一方、ノジマは2018年度の175店舗から2024年度に231店舗へと56店舗増加しており、7社中で最も積極的に出店を進めています。ケーズHDも494店舗→552店舗と着実に店舗網を拡大し、2023年度以降は552店舗を維持しています。この2社は出店による面的拡大で成長を追求する戦略を継続しています。
エディオンは395店舗→423店舗と微増を続け、安定的な地域密着経営を反映しています。ビックカメラは214店舗→222店舗まで増やした後、2024年度は207店舗と減少に転じており、都市型大型店舗への集中方針が表れています。ヨドバシカメラは全期間を通じて23〜24店舗で推移しており、グラフ上ではほとんど視認できないほど少数ですが、前述の通り1店舗あたりの売上・利益は業界随一です。上新電機は2019年度の234店舗をピークに2024年度は215店舗まで減少しています。
このグラフからは、「多店舗展開で売上拡大を狙う」ケーズHD・ノジマ型と、「少数精鋭で効率を追求する」ヨドバシ・ビックカメラ型、そして「スクラップ&ビルドで質に転換する」ヤマダHD型と、各社の出店戦略の違いが明確に読み取れます。
家電量販企業上位6社の売上高総利益率
家電量販企業上位6社の売上高総利益率売上高総利益率(粗利率)は、各社の商品戦略や事業ミックスの違いが色濃く反映される指標です。なお、ヨドバシカメラは非上場企業のためこのグラフでは割愛されています。
6社の中で最も高い粗利率を安定して維持しているのがエディオンです。2018年度の29.2%から2019年度に28.7%へやや低下したものの、2020年度以降は29.0〜29.4%のレンジで推移し、2024年度も29.0%と堅実な水準を保っています。地域密着型の接客力による高付加価値販売と、FC店舗を含む独自の流通構造が高い粗利率を支えていると考えられます。
ヤマダHDは2018年度27.6%から2019年度28.6%、2020年度に29.7%とピークをつけた後、2022年度28.0%まで低下しましたが、2024年度は28.1%と下げ止まっています。ケーズHDは2018年度28.1%から2020年度に29.2%へ上昇した後、2022年度・2023年度は28.2%、2024年度は27.7%と低下傾向が続いており、6社の中では唯一直近で粗利率が悪化している点が気になります。
ビックカメラは2018年度・2019年度ともに27.2%でしたが、2020年度に28.6%へ上昇。その後2022年度26.7%まで下がりましたが、2024年度は26.7%と同水準を維持しています。上新電機は2018年度24.3%→2019年度24.2%と6社中最低でしたが、2020年度25.0%、2023年度25.4%、2024年度25.3%と緩やかな改善傾向にあります。
全体として、エディオン・ノジマの29%前後のグループと、ビックカメラ・上新電機の25〜27%台のグループに二極化しており、ヤマダHD・ケーズHDがその中間に位置する構図です。この差は事業構造の違いを反映した構造的なものであり、短期間での逆転は起こりにくいと言えるでしょう。
6社の中で最も高い粗利率を安定して維持しているのがエディオンです。2018年度の29.2%から2019年度に28.7%へやや低下したものの、2020年度以降は29.0〜29.4%のレンジで推移し、2024年度も29.0%と堅実な水準を保っています。地域密着型の接客力による高付加価値販売と、FC店舗を含む独自の流通構造が高い粗利率を支えていると考えられます。
ヤマダHDは2018年度27.6%から2019年度28.6%、2020年度に29.7%とピークをつけた後、2022年度28.0%まで低下しましたが、2024年度は28.1%と下げ止まっています。ケーズHDは2018年度28.1%から2020年度に29.2%へ上昇した後、2022年度・2023年度は28.2%、2024年度は27.7%と低下傾向が続いており、6社の中では唯一直近で粗利率が悪化している点が気になります。
ビックカメラは2018年度・2019年度ともに27.2%でしたが、2020年度に28.6%へ上昇。その後2022年度26.7%まで下がりましたが、2024年度は26.7%と同水準を維持しています。上新電機は2018年度24.3%→2019年度24.2%と6社中最低でしたが、2020年度25.0%、2023年度25.4%、2024年度25.3%と緩やかな改善傾向にあります。
全体として、エディオン・ノジマの29%前後のグループと、ビックカメラ・上新電機の25〜27%台のグループに二極化しており、ヤマダHD・ケーズHDがその中間に位置する構図です。この差は事業構造の違いを反映した構造的なものであり、短期間での逆転は起こりにくいと言えるでしょう。
家電量販企業上位6社の販売管理費
家電量販企業上位6社の販売管理費6社合計の販管費は、2018年度(2019年3月期)の約1兆1,833億円から2024年度(2025年3月期)には約1兆3,249億円へと約1,416億円(12%)増加しています。売上高の伸びと比較しても販管費の増加ペースは速く、業界全体としてコスト負担が重くなっていることが読み取れます。なお、ヨドバシカメラは非上場企業のため割愛されています。
企業別に見ると、最大の販管費を抱えるヤマダHDは2018年度の約4,131億円から2019年度に約4,223億円、2020年度に約4,290億円と増加した後、2021年度に約3,993億円へ一旦減少しました。しかし2022年度に約4,047億円と再び上昇に転じ、2024年度は約4,145億円となっています。売上高が2020年度のピークを回復していない中での販管費増であり、コスト効率の面では課題が残ります。
最も販管費の増加が顕著なのがノジマです。2018年度の約1,095億円から2024年度には約1,976億円へとほぼ倍増しており、M&Aによるグループ拡大に伴う人件費・店舗運営費の増加が反映されています。ただしノジマの場合、売上の成長がそれ以上のペースで進んでいるため、販管費率としては悪化していない点がポイントです。ビックカメラも2018年度の約2,205億円から2019年度に約2,189億円、2020年度に約2,203億円と横ばいで推移した後、2021年度に約1,960億円まで減少しましたが、その後は増加に転じ2024年度は約2,302億円と過去最高を更新しています。
エディオンは2018年度約1,920億円から2019年度約1,983億円、2020年度約1,989億円と微増で推移した後、2021年度に約1,909億円と減少。2024年度は約1,995億円と2020年度並みに戻っています。ケーズHDは2018年度の約1,611億円から2020年度に約1,794億円へ増加し、2024年度は約1,825億円と着実に増え続けています。上新電機は2018年度約872億円から2019年度約916億円、2024年度には約985億円と増加しており、先に見た経常利益率0.9%への急落の一因がここに表れています。
全体として、販管費の増加は人件費の上昇、物流コストの高騰、店舗の業態転換に伴う投資など構造的な要因によるものであり、売上成長なくしてはコスト負担が利益を直接圧迫する局面に入っています。各社とも、DXや業務効率化による販管費率の抑制が収益改善の最重要テーマとなっています。
企業別に見ると、最大の販管費を抱えるヤマダHDは2018年度の約4,131億円から2019年度に約4,223億円、2020年度に約4,290億円と増加した後、2021年度に約3,993億円へ一旦減少しました。しかし2022年度に約4,047億円と再び上昇に転じ、2024年度は約4,145億円となっています。売上高が2020年度のピークを回復していない中での販管費増であり、コスト効率の面では課題が残ります。
最も販管費の増加が顕著なのがノジマです。2018年度の約1,095億円から2024年度には約1,976億円へとほぼ倍増しており、M&Aによるグループ拡大に伴う人件費・店舗運営費の増加が反映されています。ただしノジマの場合、売上の成長がそれ以上のペースで進んでいるため、販管費率としては悪化していない点がポイントです。ビックカメラも2018年度の約2,205億円から2019年度に約2,189億円、2020年度に約2,203億円と横ばいで推移した後、2021年度に約1,960億円まで減少しましたが、その後は増加に転じ2024年度は約2,302億円と過去最高を更新しています。
エディオンは2018年度約1,920億円から2019年度約1,983億円、2020年度約1,989億円と微増で推移した後、2021年度に約1,909億円と減少。2024年度は約1,995億円と2020年度並みに戻っています。ケーズHDは2018年度の約1,611億円から2020年度に約1,794億円へ増加し、2024年度は約1,825億円と着実に増え続けています。上新電機は2018年度約872億円から2019年度約916億円、2024年度には約985億円と増加しており、先に見た経常利益率0.9%への急落の一因がここに表れています。
全体として、販管費の増加は人件費の上昇、物流コストの高騰、店舗の業態転換に伴う投資など構造的な要因によるものであり、売上成長なくしてはコスト負担が利益を直接圧迫する局面に入っています。各社とも、DXや業務効率化による販管費率の抑制が収益改善の最重要テーマとなっています。
家電量販企業上位6社の売上高販管費率
家電量販企業上位6社の売上高販管費率売上高販管費率は、粗利率と並んで各社の収益構造を映し出す重要指標です。なお、ヨドバシカメラは非上場企業のため割愛されています。
6社中、最も販管費率が高いのがエディオンです。2018年度の26.7%から2019年度に27.0%へ上昇した後、2020年度は25.9%と改善しましたが、2024年度は26.0%と再び26%台に戻っています。粗利率が29%台と高い一方で販管費率も高く、結果として経常利益率は3%台にとどまっています。FC店舗を含む広範な店舗ネットワークの維持コストが重い構造と言えます。
ヤマダHDは2018年度25.8%から2019年度26.2%と上昇した後、2020年度に24.5%と大幅に改善しました。コロナ特需による売上急伸で固定費が薄まった効果です。しかし2021年度24.7%、2022年度25.3%、2023年度25.9%と売上減少に伴い率が悪化し、2024年度は25.4%とやや改善したものの、2020年度の水準には程遠い状態です。
注目すべきはビックカメラの改善です。2018年度24.7%、2019年度25.8%、2020年度26.4%と一時は悪化が進みましたが、2021年度24.7%と急改善し、2023年度23.8%、2024年度23.6%と6社中で最も低い水準を実現しています。都市型大型店舗への集約による運営効率の向上が数字に表れた形です。
ケーズHDは2018年度23.4%から2020年度22.6%と6社中最低水準を記録していましたが、2022年度24.1%、2023年度25.1%、2024年度24.7%と上昇傾向が続いています。店舗数の拡大と人件費増が効率を押し下げており、かつての「低コスト経営」の優位性がやや薄れつつあります。
上新電機は2018年度21.6%と当時は6社中最低でしたが、2022年度23.4%、2023年度24.0%、2024年度24.4%と一貫して上昇しており、6年間で2.8ポイントも悪化しました。経常利益率が0.9%まで落ち込んだ最大の要因がこの販管費率の上昇にあると言えます。ノジマは2018年度21.3%から2019年度23.2%、2020年度23.9%と急上昇しましたが、これはM&Aに伴う事業規模拡大の影響です。2024年度は23.2%と2019年度と同水準に落ち着いており、売上成長によって販管費率を吸収できている点は評価できます。
全体として、2020年度に全社が販管費率の改善を享受した後、売上が正常化する中で各社の「コスト体質」の差が浮き彫りになっています。ビックカメラとノジマが23%台で効率経営を実現する一方、エディオンとヤマダHDは25〜26%台と重く、この2〜3ポイントの差がそのまま利益率の格差に直結しています。
6社中、最も販管費率が高いのがエディオンです。2018年度の26.7%から2019年度に27.0%へ上昇した後、2020年度は25.9%と改善しましたが、2024年度は26.0%と再び26%台に戻っています。粗利率が29%台と高い一方で販管費率も高く、結果として経常利益率は3%台にとどまっています。FC店舗を含む広範な店舗ネットワークの維持コストが重い構造と言えます。
ヤマダHDは2018年度25.8%から2019年度26.2%と上昇した後、2020年度に24.5%と大幅に改善しました。コロナ特需による売上急伸で固定費が薄まった効果です。しかし2021年度24.7%、2022年度25.3%、2023年度25.9%と売上減少に伴い率が悪化し、2024年度は25.4%とやや改善したものの、2020年度の水準には程遠い状態です。
注目すべきはビックカメラの改善です。2018年度24.7%、2019年度25.8%、2020年度26.4%と一時は悪化が進みましたが、2021年度24.7%と急改善し、2023年度23.8%、2024年度23.6%と6社中で最も低い水準を実現しています。都市型大型店舗への集約による運営効率の向上が数字に表れた形です。
ケーズHDは2018年度23.4%から2020年度22.6%と6社中最低水準を記録していましたが、2022年度24.1%、2023年度25.1%、2024年度24.7%と上昇傾向が続いています。店舗数の拡大と人件費増が効率を押し下げており、かつての「低コスト経営」の優位性がやや薄れつつあります。
上新電機は2018年度21.6%と当時は6社中最低でしたが、2022年度23.4%、2023年度24.0%、2024年度24.4%と一貫して上昇しており、6年間で2.8ポイントも悪化しました。経常利益率が0.9%まで落ち込んだ最大の要因がこの販管費率の上昇にあると言えます。ノジマは2018年度21.3%から2019年度23.2%、2020年度23.9%と急上昇しましたが、これはM&Aに伴う事業規模拡大の影響です。2024年度は23.2%と2019年度と同水準に落ち着いており、売上成長によって販管費率を吸収できている点は評価できます。
全体として、2020年度に全社が販管費率の改善を享受した後、売上が正常化する中で各社の「コスト体質」の差が浮き彫りになっています。ビックカメラとノジマが23%台で効率経営を実現する一方、エディオンとヤマダHDは25〜26%台と重く、この2〜3ポイントの差がそのまま利益率の格差に直結しています。
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株式会社クロスには家電業界に精通したコンサルタントが多数所属しています。また、家電業界向けのセミナーを定期的に開催し、家電業界の専門誌「家電Biz」も発行しています。家電業界に関するコンサルティングやデータ提供等も行っておりますので、ご不明な点やご要望がございましたらお気軽にお問い合わせください。


