エディオンの決算動向

Edion

はじめに

エディオンは広島を拠点に中四国・九州で店舗を展開していたデオデオと中部を拠点とするエイデンによって2002年に持株会社エディオンとして発足しました。その後、近畿を拠点とするミドリ電化や関東圏の石丸電気、北海道・北陸で店舗を展開するサンキューがこれに加わり、全国でチェーン展開を行っています。サンキューの店舗だけは100満ボルトの名称を継続していますが、それ以外はエディオンとしてストアブランドを統一しています。また、古くからフランチャイズ事業にも取り組み、FC店舗数は全国で約760店にも達しています。従来から展示演出や接客力は高く評価されており、近年はオール電化やリフォームなどのエコ・リビングソーラー事業も強化。その売上高は2017年度で約439億円と、売上高の6.7%を占めています。ここ数年は出店を抑えていましたが、2018年度から新規出店も増加し、2019年にはターミナル立地の大阪・なんば本店の新規出店と旗艦店である広島本店の建て替えが予定されています。

売上高、売上高伸長率

 

 

ico 解説員
元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
消費税増税の反動減を受けた2015年3月期は前年比90.2%と大きくダウン。その後は一進一退で足踏み状態が続いています。2018年3月期の売上高は前年プラスとなりましたが、伸長率は1.8ポイントにとどまり、他社と比較すると低い伸び率になっています。エディオンは売り上げの85%以上を会員が占め、顧客をしっかりと固定化しています。しかし、会員数は約1,260万人とその売上高や店舗数からすると、やや物足りなさが感じられるところ。この大きな理由としては、人口と消費活動での大票田である関東首都圏での店舗展開が極めて少ないことが挙げられます。そのため、現在はECを強化し、売上拡大を図っています。

売上総利益、売上高総利益率

 

 

ico 解説員
元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
売上総利益額は売上高と連動して推移していますが、それぞれの増減率を比較すると減収期は売上高よりも減少率が低く、増収期では売上高よりも増加率が高くなっています。つまり、売上高の落ち込みよりも売上総利益額の落ち込みの方が低く、売上高の増加よりも売上総利益額の増加の方が高いということ。これにより、売上高総利益率は増加基調で推移しており、2018年3月期は28.9%と上場家電量販企業の中で最も高い数値となっています。エディオンは売り場の展示演出と接客によって高付加価値商品の提案力に優れていると同時に、オリジナルモデルのラインアップも強化しており、それが高い売上高総利益率を実現していると考えられます。

営業利益、売上高営業利益率

 

 

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元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
営業利益額は2016年3月期に前年の約1.6倍と大きく伸長しましたが、翌2017年3月期は2桁減とダウンしています。2016年3月期の売上高は前年比100.1%と微増にとどまりましたが、売上総利益は同103.0%と伸長。販管費は広告宣伝・販売費と減価償却費が前年よりも縮小し、販管費全体では計画費よりも約35億円減少の前年比98.3%となったことが、大幅な営業利益額の増加につながりました。2017年3月期は売上総利益額の前年比98.5%に対して販管費は前年比99.3%。その結果、営業利益額は前年89.6%とダウンしました。2018年3月期は売上総利益額の前年比102.7%に対して、販管費が同102.8%と増加したため、営業利益額はほぼ横ばいとなっています。売上高営業利益率は直近5年間の平均で2.1%。上場家電量販企業の中では最も低い数値となっていますが、その要因は他社よりも売上高に占める販管費が高いことにあります。

経常利益、売上高経常利益率

 

 

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元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
経常利益額および売上高経常利益率の推移を見ると、営業利益額と売上高営業利益率の推移と同じ傾向にあります。営業外収支では数億円のプラスという傾向が続いており、他社の数十億円規模と比べると、営業外収支が経常利益額に及ぼす影響は小さいといえます。しかし、経常利益額の伸長率や売上高経常利益率は、他社よりも低いレベルで推移しています。直近5年間の売上高経常利益率の平均は2.2%。これは上場家電量販企業の中で上新電機に次ぐ低い数値で、2018年3月期においての売上高経常利益率は上新電機よりも低い2.4%となっています。

純利益、純利益伸長率

 

 

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元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
エディオンの純利益額を見ると、営業利益や経常利益とは異なる推移となっています。2017年3月期の純利益額は前年の約2.2倍に拡大しました。しかし、これは繰延税金資産の増加によって法人税等合計が20億9,500万円の収益に転じたためのもので、特殊要因といえます。2018年3月期の税引等調整前当期純利益は、2017年3月期よりも約25億円増。しかし、前年の特殊要因がなかったため、法人税等合計が損失となり、結果として2018年3月期の当期純利益は減益となっています。ただし、税金等調整前純利益の段階では、2018年3月期は前年比122.7%と伸長し、実質的な純利益は増加しているといえます。

販管費、売上高販管費率

 

 

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元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
エディオンの販管費は減少基調にありましたが、2018年3月期は増加に転じています。ここ数年間はセールやポイント販促費等での広告宣伝費・販売費の圧縮に取り組み、設備面では減価償却費が減少していました。しかし、エディオンは売上高販管費率が他社と比べて高く、直近5年間の平均売上高販管費率は25.9%。売上高でエディオンと近いケーズHDと比較すると、その差は3ポイント以上あります。この高い販管費率ゆえ、売上高利益率が他社よりも低い数値となっています。現在、ECの強化に取り組んでいますが、この狙いとしては、販管費の圧縮と同時に売上拡大が両立できる点にあると考えられます。いわゆる効率化の推進がエディオンの課題の一つといえるでしょう。

広告宣伝費、売上高広告宣伝費率

 

 

ico 解説員
元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
エディオンは他社と異なり、広告宣伝費単独では開示していません。広告および販売促進費という形で、販売経費も含めた形になっています。この広告および販売促進費は2015年3月以降、減少基調で推移しています。売上高に占める広告および販売促進費の割合は2%台後半から3%台前半で、直近5年間の平均は3.0%。販売促進費を含んでいるため、他社と同列比較はできませんが、特に高いレベルではありません。

給与及び手当、売上高給与及び手当率

 

 

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元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
エディオンの給与及び手当は2015年3月期以降、増加しています。ただし、増加はしていますが、増加率では1.0ポイント台以下を維持し、特に大きな増加を示しているわけではありません。その反面、売上高に占める給与及び手当を売上高給与手当率として見ると、様相が異なります。2018年3月期の売上高給与手当率は8.2%で、これは上場家電量販企業の中で最も高い数値です。直近5年間の平均は8.0%。最も低いビックカメラとはダブルスコア以上の開きがあります。エディオンとしての創業は2002年ですが、それまでに各地域で営業を行ってきた企業が集まってできたため、実質的な歴史は古く、勤続年数が長い社員の割合も他社と比べて高め。それが売上高給与手当率を高くしている要因の一つともいえます。

従業員数 (従業員数・平均臨時雇用者数)

 

 

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元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
2018年3月期の従業員数と平均臨時雇用者数の合計は約15,500名。従業員数は減少で推移していましたが、2018年3月は増加に転じました。一方、平均臨時雇用者数は増加と減少が交互に繰り返されています。就業員全体に占める臨時雇用者数の割合は43~44%程度で推移。この割合は上場家電量販企業の中で中央値相当に該当し、特に臨時雇用者の割合で突出した部分は見られません。

従業員1人当たり売上高

 

 

店舗数

 

 

※エディオンおよびサンキューの直営店舗(携帯電話専門店は除く)

ico 解説員
元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
店舗展開では、建て替えや改装、リニューアルによるドミナントの強化に取り組んでいます。店舗網の単純な拡大よりも、地域における個店を強化して地域内販売シェアをアップさせることを重視しているわけです。しかし、家電需要自体の行方が懸念される中、エディオンでは新規出店の拡大も指向するようになってきました。従来は単独店舗での出店が主だったのですが、初期投資や運営コストの観点からSC内のインショップ出店も多くなっています。ただし、出店エリアが西高東低の傾向は従来どおりといえます。

1店舗当たり売上高 (売上高÷エディオンおよびサンキューの直営家電店)

 

 

設備投資額

 

 

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元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
エディオンの設備投資額の内訳は、新規や移転・増床、改装などの店舗に関わる費用とシステム開発、翌期以降の投資、家電販売以外のものに大別できます。直近5年間の設備投資額の推移を見ると、2014年3月期からの減少が2017年3月期は増加となり、2018年3月期には再び、減少に転じています。対設備投資額全体で見ると、新設・既設を問わず、店舗の強化を目的とした投資が2018年3月期では約52%を占めており、既存店強化によるものが設備投資額全体に対して30%程度となっています。また、システムの開発によるものの割合が年々高くなっていることから、エディオンが効率面を重視し、システム開発等を強化していることが分かります。

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株式会社クロスには家電業界に精通したコンサルタントが多数所属しています。また、家電業界向けのセミナーを定期的に開催し、家電業界の専門誌「家電Biz」も発行しています。家電業界に関するコンサルティングやデータ提供等も行っておりますので、ご不明な点やご要望がございましたらお気軽にお問い合わせください。