主要家電量販企業の決算比較

はじめに

少子高齢化や単身世帯の増加など、社会環境は急速に変化しています。家電流通企業もこの変化に合わせて、取扱分野の拡大や他業態とのコラボレーション、エリア別の施策、地域最適化の出店戦略などに取り組んでいます。この取り組みの成果は業績に反映され、家電流通企業各社の業績や指標を把握することで、家電流通企業全体を俯瞰して捉えることができます。また、各企業の業績推移を時系列で見ることにより、企業として成長しているか否かも把握できます。家電量販企業DBの数値から、家電流通企業の「今」を見据えていただければ幸いです。

家電量販企業上位7社の売上高

ico 解説員
元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
5年間の連結売上高推移を見ると、消費税が5%から8%にアップした2014年度に売上高が大きく落ち込みました。各社ごとに増減は異なりますが、2017年度でも2013年度の売上高まで達していません。各社の業績が伸び悩んでいるのは各社の問題というよりも、需要を含む家電業界全体の問題ともいえます。

家電量販企業上位7社の売上高伸長率

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元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
消費税の増税に伴う駆け込み需要が発生した13年度から施行後の14年度は各社とも売上高がダウンしました。落ち込みの幅は各社によって異なりますが、店舗数が多い企業が少ない企業よりも落ち込み幅が大きくなっている傾向が見られます。ノジマはITXの買収により、14年度は1ヶ月分、15年度は年間売上高が加えられたため、他社とは異なる推移となっています。

家電量販企業上位7社の経常利益

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元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
経常利益額の推移を示したグラフとしては、売上高の推移と似た形になっています。消費税の増税は売上高のみならず経常利益にも影響を及ぼし、2014年度が落ち込みました。しかし、その後は増加基調で推移しています。ヤマダ電機は在庫適正化を伴う改革で、営業利益額の減少が経常利益額にも影響を与えました。

家電量販企業上位7社の売上高経常利益率

ico 解説員
元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
家電量販企業は薄利多売から利益重視の方向性に転換し、それが実績となって反映されています。基本的に売上高経常利益率も増加基調で推移しています。とくにヨドバシカメラは売上高経常利益率が高く、2017年度には9%に近いレベルに達しています。このヨドバシカメラと差はありますが、ケーズHDがそれに続くという形で、これは2013年度以前から現在も継続されています。

家電量販企業上位7社の店舗数

※各量販企業の連結対象の直営店舗数(家電販売店のみ。携帯電話専門店、FC店舗は除く)

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元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
各企業とも店舗展開では、商圏を設定して商圏内シェアのアップに取り組んでいます。退店すれば、その顧客は他店に流れますので、多くの企業では単なる退店ではなく、スクラップ&ビルドという手法で顧客の維持に努めています。そのため基本的には純増傾向となっていますが、2015年度が前年よりも少ないのは、ヤマダ電機が改革のために全国で約60店に及ぶ閉店を行ったためです。

家電量販企業上位6社の売上高総利益率

※ヨドバシカメラは非上場企業のため割愛

※ヨドバシカメラは非上場企業のため割愛

※ヨドバシカメラは非上場企業のため割愛

※ヨドバシカメラは非上場企業のため割愛

ico 解説員
元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
全体的に売上高総利益率(=粗利益率)は伸長基調で推移しています。各企業とも粗利益率の高い高付加価値商品の販売に注力し、それが粗利益率の底上げとなっています。上新電機とノジマは上位4社と約5ポイント離されています。これはリージョナルチェーンで、仕入れ額の絶対額が上位4社より小さいためにインセンティブ収入も比例して少ないためと考えられます。

家電量販企業上位6社の販売管理費

※ヨドバシカメラは非上場企業のため割愛

※ヨドバシカメラは非上場企業のため割愛

※ヨドバシカメラは非上場企業のため割愛

※ヨドバシカメラは非上場企業のため割愛

ico 解説員
元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
販売管理費は出店数や従業員数と密接な関係があります。店舗が増えれば、地代や店舗運営にかかる諸経費も増加しますし、人件費も増えます。企業によってはパートやアルバイトの活用で人件費の増加を最低限にとどめようとするところもありますが、出店を続けていく中で、いかに販売管理費を圧縮するかは家電量販企業の大きな課題ともいえます。

家電量販企業上位6社の売上高販管費率

※ヨドバシカメラは非上場企業のため割愛

※ヨドバシカメラは非上場企業のため割愛

※ヨドバシカメラは非上場企業のため割愛

※ヨドバシカメラは非上場企業のため割愛

ico 解説員
元「IT&家電ビジネス」編集長 / 現「家電Biz」編集長 風間 理男
社会環境の変化や消費者ニーズの多様化、家電量販企業同士による競争、ECの拡大などにより、家電量販企業の売上高は従来の右肩上がりから微増、横ばいに変わってきました。売上高は伸びませんが、人件費や設備費等は拡大しています。そのため、売上高の伸長よりも販管費の伸長が上回り、売上高販管費比率は増加基調で推移しています。

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株式会社クロスには家電業界に精通したコンサルタントが多数所属しています。また、家電業界向けのセミナーを定期的に開催し、家電業界の専門誌「家電Biz」も発行しています。家電業界に関するコンサルティングやデータ提供等も行っておりますので、ご不明な点やご要望がございましたらお気軽にお問い合わせください。